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対馬への旅(6) 海神神社とツシマヤマネコ

2015.11.03

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旅行日:平成27年10月5~8日・中⑦
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 旧豊玉町の仁位で国道382号に戻り,北上を続ける。この国道は比田勝を起点として佐賀県唐津市の国道204号接点を終点としている。名目上は九州本土と壱岐・対馬を繋いでいるが,厳原から壱岐の勝本港の間と,印通寺港から唐津市の呼子港までは開通しておらず,いわゆる海上国道でとなっている。

 仁位を過ぎると国道といえども交通量はごく僅かとなり,景色を愛でながら自分のペースで走れるようになる。
 丁度稲刈りをしている田圃を見つけ,クルマを脇に寄せる。私の頭には『魏志倭人伝』の「無良田」(良田はない)があったから,田圃のことは気になっていた。2000年近く前の文章を引き合いに出されては,対馬の人も呆れるだろうが…。
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 上島に入って以来,ツシマヤマネコに注意を促す標識が目につくようになった。あとでスーパーに立ち寄った際,「無事故○○日」と掲示したりしていたから,島の方々が気を配っているのを感じた。
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 標識がてらもう一ネタ。標識というか看板であるが…。
 「曽田」へは2つのルートがあるのかと思ったが,よく見ると「曽」と「田」は別の集落であった。
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 先ほど田圃があったのは吉田川で,この川が海に出るのは三根湾。いつしか旧豊玉町から旧町に移っていた。
 国道は深く切れ込んだ湾に少し付き合うだけだが,私はさらに海沿いをゆく主要地方道48号を進んで木坂集落の海神神社を訪れる。
 木坂は御前浜に面した集落であった。
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 前回記事で紹介した和多都美神社は入江に面した神社であったが,海神神社は高台にある。
 クルマを停めたところから鬱蒼とした森を歩き,石段を登る。コゲラだろうか,小鳥がやって来て,樹を突き始めた。足を止め,森に響くその小気味良い音に耳を澄ます。あまりに素朴な感想だが,来て良かったと思う。
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 鳥居の額を見上げると,海神神社の「海」の字は「毎」の下に「水」と記している。異字体もまた魅力的だ。
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 海神神社は対馬国の一宮で,江戸時代までは八幡宮と称した。厳原の下津八幡宮(八幡宮神社)に対応して上津八幡宮とも呼ばれていたが,明治4年に現名称に変更された。当初は「海神」で「わたつみ」と読んだが,和多都美神社と紛らわしいということで,「かいじん」に変わっている。
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 祭神は応神天皇,神功皇后で,神功皇后が新羅征伐に向かう際,海神を祀り,その帰途に旗八流を納めたのが創始とされる。文献の記載も和多都美神社と混合され気味で,曖昧な点もあるが,中世になって一宮として領主の庇護を受けるようになった。
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 本殿に隣接して小さな社があり,豊玉姫命,彦火火出見尊,鵜飼草葺不合命を祀っている。
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 山間部を回って三根に戻り,さらに国道を北上。御岳の下を長いトンネルでくぐり抜け,佐護集落から佐護川に沿って佐護湾まで下り,高台にある対馬野生生物保護センターを訪れた。時刻は16:25。開館時間は16時半まで(入館は16時まで)であったが,お願いしたら入れてくれた。
 対馬野生生物保護センターではツシマヤマネコをはじめとした対馬の稀少野生生物の保護,調査,啓発活動を行っている。
 1匹のツシマヤマネコを飼育しており,大急ぎで見学。職員の方が「いい位置にいますよ!」と嬉しげに言ったが,ガラス越しとはいえ本当に間近に座っていた。
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 ツシマヤマネコはベンガルヤマネコの亜種で,約1万年前に最終氷期が終わって対馬が大陸から切り離されて島になった際に取り残されたと考えられている。対馬にしか棲息しておらず,個体数は80~110頭に過ぎないと推定される。その殆どが上島に棲息し,下島では昭和59年以降見つかっていなかったが,平成19年に無人カメラに写り,21年には捕獲された。

 絶滅のおそれがあるツシマヤマネコは全国9ケ所の動物園とこの保護センターで飼育されていて,感染症などが発生した際のリスクを軽減させている。ここで飼育されている個体は11歳のオスで,福岡市生まれで対馬にやって来たことから,「福馬(ふくま)」と名付けられた。
 夜行性であるので,この時間は睡た気であった。起きていると精悍な顔立ちに見えるが,香箱座りをして,目を閉じてしまえば,その辺のイエネコと大差ない。
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 おもむろに立ち上がると,そのまま横を向いてしまった。本日の勤務は終了ということだろうか。
 ツシマヤマネコの特徴はイエネコよりも太い尾,胴長短足,耳の後ろに白い斑点があることだという。横を向いたおかげで斑点が見えた。
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 対馬の自然やヤマネコの保護に関する展示も沢山あったのだが,閉館時間なので退散する。施設の職員の方々としても知ってほしい,広めてほしいのはそちらの方であるはずで,少し申し訳ない気がした。

 佐護湾をぐるりと回って高台に上がれば,釜山の街を見ながら走ることになる。外国を見ながらクルマを運転していると思うと,不思議な感じがした。
 千俵蒔山の中腹に「異国の見える丘展望台」があって,急な斜面の上に展望台が建っていた。
 ここからは釜山のビルがはっきりと見え,背後の山並みもはっきりしている。
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 険しい海岸線の続く対馬の最北端まではあと10キロ程となった。
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 振り返れば,太陽がだいぶ下りてきた。みごとに雲一つないので夕陽が楽しみだ。
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個人的に今興味があるのは戦前、戦中の数少ない遺跡などが見たいと思います。そういうスポットでおすすめとろこなんていうのがあれば情報交換とかもしたいですね。そういう意味でもコメントなども随時受け付けています。村崎一徳と一緒に地方のマイナーなスポットを盛り上げましょうww
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