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よろしく哀愁。よろしく九州① 才田

2016.01.28

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1986年に廃止された漆生線にあった駅である才田は、現役時代は一面一線の、いわゆる棒線型駅であった。漆生線という名前自体、若いレールファンには馴染みがないであろうし伝説であろう。漆生線は九州は福岡県にあった国鉄路線で下山田と下鴨生を結んでいた路線であるが、実際は下山田ではなく、その手前にある嘉穂信号場が事実上の起点であった。私は現役時代を知っているが、残念ながら訪問は果たせなかった。もちろん計画はしていたが・・・

そして今回の旅での訪問となったが、漆生線は遺構が多く残っており訪問し甲斐がある路線だ。そして今回紹介する才田であるが・・・なんと廃止されてからほとんど手を加えられていないであろう国鉄時代の姿を今も残す貴重な存在であった。この才田駅に繋がる道路は恐らく漆生線を転用したものと思われるが、その転用道路が突然ガードレールに阻まれ約90°的に方向を変えなければならない道と繋がっている。その角度を変えなければならないガードレールの先に才田が登場する。その空間は全く異次元的であり、まるでタイガーマスクの「四次元殺法」的な技を見ているようでもあった。そして、その新しい道路からは想像つかないほどの別世界である才田は、まるでその部分だけ時が止まっているようでもあった。駅の裏手に民家があり、普通の人がこの地を訪れたら恐らくこの民家の敷地内にあるガレージ的な存在に見えてしまうかも知れない。

だが、逆にそれが幸いしたのか、廃止から30年経過してなお当時の姿をほぼ残し現在まで保っているのだから大したものだ。ホーム下は今でもしっかりと線路跡が確認できる。そして嘉穂信号場方面はしばらくレールがあったような空間が続く。その先が藪のようになっていると聞いていたが確認が困難であった。であるが、これからもこの状態のまま残って欲しい。もちろん、下手にモニュメント的なものにして欲しくないのが正直なところである。

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かつて漆生線であったと思われる空間はご覧の道路に転用されたと思われる。そしてその道路は手前でカーブを描くが、そのカーブの先にガードレールに守られた漆生線・才田駅がある。というより、普通に民家の一部であろう雰囲気だ。


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そしてガードレールの先にその全貌を現す。ど~~ですか、この保存状態。もちろん「保存」というよりは「自然」なのであろう。だが、ただ「放置」ではなく、それなりに草刈などの手入れが行われている事と思われる。


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嘉穂信号場方面を望む。その先は藪的空間になるらしいが確認ができなかった。その藪的空間にも漆生線の名残が感じられると聞いたが、残念ながら時間の制約からその作業は見送りとなってしまった。

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我が家の裏にもこんな空間があったらなんて素敵な事であろう。春先には読書でもしながら一日過ごしてみたいものだ。もちろん桜なんぞやあればすぐさま「氷結」的な時間帯が心地よく包む事と思う・・・


今回の旅で最初に訪れた本格的な廃止駅であった。そして今までの旅と今回の旅で決定的に違う事、それはしっかりと事前調査しポータブルなカーナビにかなり正確な位置情報を入力してから旅に出た事であった。そんな準備万端な旅であったが、いざ出発してみると、現地に着いてからカーナビとシガライターソケットをつなぐジョイント部分を持参するのを忘れていたり、そのジョイントからカーナビ本体につなぐコードが断線していたりと・・・もう踏んだり蹴ったりのスタートであった。だが、ここ才田に到着する時には既にその問題を解決していてそんな事もすっかり忘れていた。というよりこの才田が忘れさせてくれた。もちろん廃止されてしまった現在の姿は残念であるが、ある意味私が会いに来るまで国鉄の姿で待っていてくれていたのかも知れない。そう思うとなんだか愛着が湧いてくる。再びここに来ようと決めたのは言うまでもない。



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