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天寧寺 数奇な歴史を伝える額縁門

2015.12.27

天寧寺 数奇な歴史を伝える額縁門 はコメントを受け付けていません。

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日の記事の上善寺から寺町通を下がると「天寧寺」があります。かって、ここは比叡山延暦寺の末寺・松陰坊があった場所で、延暦寺への参拝前に宿泊するような施設だったそうです。

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現在でも当時のように境内から比叡山が望め、特に山門からの眺めは絵画のようで「額縁の門」と呼ばれています(TOPの写真、天寧寺は拝観寺院ではありませんが、この道のつきあたりまでは入ることができます。)

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戦国時代の元亀2年(1571)信長の比叡山焼き討ちの際に、松陰坊も廃絶されました。(山門を入って左にある「観音堂」には、後水尾天皇の念持仏聖観音像と東福門院の念持仏薬師如来像を安置しています。)

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一方、福島県の会津若松に「天寧寺」という曹洞宗の寺がありました。伊達政宗が会津に攻め入ったことから、天正20年(1592)に松陰坊の跡地に移されました。 (右手にある「稲荷大神宮」(まんじいなり)」

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京都に移された天寧寺の復興には、直江兼続や京都所司代の板倉勝重らが力を貸したと伝わっています。(まんじいなりには伏見稲荷大社から分霊された「稲荷大神」を祀っています。)

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江戸時代の天明8年(1788)に起こった「天明の大火」は、京都で最大規模の火災で御所も炎上して、後桜町上皇は青蓮院に避難したほどです。(「本堂」 本尊として仏師・春日作の釈迦如来像が安置されています。)

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その時、天寧寺も焼失してしまいました。本堂前の「カヤの木」の頂部には落雷の跡、幹には天明の大火の焼痕があり、歴史を伝える大樹として京都市登録天然記念物に指定されています。
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突き当りの左に道が二つに分かれて書院と庫裡があります。

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文化9年(1812)に本堂、天保13年(1842)に書院、嘉永2年(1849)に山門が再建されました。(書院?)

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ところで、平成10年から始まった修復工事で、本堂の天井裏から貴重な遺物が発見されました。(庫裡)

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それは古い仏像で、仏師が修復した結果、天寧寺を京都に移した当時の本尊であることが分かりました。(わらべ地蔵)
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それを示す願文が台座に書かれており、山城守(直江兼続)が力を貸して復興されたことも記されていました。つまり、寺に伝わる伝承の一部が事実だったことが証明されたのです。

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会津若松にあった天寧寺を創建したのは傑堂能勝(けつどうのうしょう)和尚といい、彼は武将・楠木正成の息子であるとされています。(鐘楼)

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京都に移された天寧寺のあちこちに「菊水」の紋が見られ、これはに正成の家紋が引き継がれていると考えられます。鐘楼の屋根の「獅子口」(鬼瓦の位置にある駒形の瓦)にも「菊水」が見られます。

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一番奥に墓地があり、江戸時代の茶人・金森宗和、かっての住職・善吉(ぜんきつ)和尚、儒者・寺島俊則、神楽を家業とする公家・慈野井家などの墓があります。

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金森宗和は、高山藩の武将の家に生まれましたが、廃嫡となり宇治に移って茶の湯に専念しました。古田重然や小堀政一の影響を受けながら後水尾院をはじめ公家との交流のなかで「姫宗和」と呼ばれる優美な茶風を築きあげました。

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善吉和尚は剣術の示現流の開祖で、その流儀は遠く薩摩に伝えられました。薩摩では勇猛な武将が生まれ、時代を経て倒幕の原動力の一つになったともいわれています。

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先の修復工事で本堂の天井裏からもう一つ驚くようなものが発見されました。それは明智光秀の位牌で、光秀の死後数百年経た江戸時代に作られたものだそうです。「明智光秀報恩塔」、TOPの写真から分かるように山門の真正面にあります。

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「謀反人」という世評もあり、かっての住職が天井裏に隠して置き、ちょうど本尊の上にあることから、大事にしていたものと想像されます。その理由にまだ定説はありませんが、有力な仮説の一つを紹介します。

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位牌は、天寧寺ではなく、かっての延暦寺の末寺・松陰坊にゆかりがあると考えた方がよさそうです。信長の命で光秀は比叡山の焼き打ちに加わりましたが、その後の処理を任され、麓の坂本に領地を与えられて城を構えました。

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当時の延暦寺と光秀の間に深い関係があって、松陰坊の時代から、寺が変わっても数百年の間、密かに光秀の位牌を供養し続けてきたと考えることができます。

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