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対馬への旅(8) 対馬の夜明けと豊砲台跡

2015.11.20

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旅行日:平成27年10月5~8日・中⑧
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 対馬二日目。6時過ぎに起き出し,海を見下ろすホテル脇の高台に立つ。
 夜明けは間もなくで,海の一ケ所が光を放っている。
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 西国の朝は遅く,今朝の日の出は6:20となっている。ちなみに横浜のそれは5:40。
 沖合に薄雲が出ていたため,水平線に昇る朝陽とはいかなかかった。
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 程なくして雲の上に太陽が出た。
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 ところで昨夜のネコと再び出合った。昨夜に較べるとだいぶ目つきが悪いようだが,明るくなって瞳孔が閉じているのだから仕方がない。
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 そんなことを思いながらあやしていると,急に膝の上に飛び乗ってきた。そのまま落ち着いてしまったが,爪が痛い。
 ちょっと惜しいところではあったが,抱き上げて下ろした。
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 部屋に戻る。このホテルを予約したのは一週間ほど前であったため,部屋は「山側」になってしまったが,角部屋だったため,窓から海を眺めることもできた。
 なお,海側の部屋だとバルコニーから朝陽が見えたようだ。
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 長崎市では今日からくんちが始まったそうで,それを映しているテレビを観ながら朝食。
 対馬も長崎県であるが,長崎県にいるという実感はあまりしない。

 8時半過ぎにホテルを出発し,まずは対馬北端を辿る県道182号を回る。
 国道で大浦に到り,昨夜も訪れた韓国展望台に再び足を印した。
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 釜山の街は霞んでおり,辛うじて望める程度であった。昨日あれだけの夜景を見られたのは運が良かったのかもしれない。
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 展望台のある高台にはかつて砲台があった。歩いても行かれるようだったので,森の中の径を進んだが,15分もの距離があった。
 ぽっかりと大きな穴が開いている。金網の隙間から覗き込めば,かなり深い。
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 内部への入り口は別にあるようだったので,展望台の駐車場に戻り,クルマで移動する。
 一旦,落土という浦に面した集落まで下り,再び山を登りなおすことになったので,こちらも距離の割に時間が掛かった。
 狭い駐車場の奥に岩屋のような入口を見つけた。
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 細い通路が奥へと通じている。貼られていたコンクリートの剥離が進み,鉄筋が剥き出しになっている。崩壊が進んで素掘りのトンネルのようになっているところもある。
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 通路はカーブしており,進むと外光が入らない。真っ暗で進めないので入口に戻ると,スイッチがあった。古びていて電気が通じているのか疑わしかったが,押してみると,次々明かりが点った。
 ガイドには「100円で30分点灯」と書いてあったが,硬貨を投入するようなところはなかった。
 先に進むといくつか小部屋があった。機械室や砲具室があったという。
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 爆撃にも耐えるため,壁や天井のコンクリートは2メートルの厚さで頑丈に造られている。
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 暗がりの先に明るみが射し,天の抜けた円形の空間に出た。
 先ほど覗き込んだ大きな穴の底である。
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 この砲台は豊砲台といい,陸軍が昭和4年に起工し,同9年に完成した。40センチの加農(カノン)砲が2門設置され,その砲身の長さは18.5メートル,重さは103トンもあったという。射程距離は30キロにも及ぶ。対岸の釜山までの距離が約50キロであることを考えれば,両岸で海峡封鎖を行えるように設計されていたことがわかる。
 そして,その砲身と砲撃の反動を支える鉄筋コンクリートの厚みは3メートルもあるそうだ。
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 これほどの施設であったが,実戦では一度も砲撃することなく,昭和20年10月に米軍によって解体された。

 岩肌の露出した別の通路から表に出た。
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